アニメ映画『HELLO WORLD』を観てきました!!
本記事は映画『HELLO WORLD』のネタバレありの感想と考察の記事となります。
『HELLO WORLD』感想・考察
あらすじ
こちらの予告動画を観るとわかりやすいです。
- 未来から未来の自分(ナオミ)がやってくる。
- ナオミは直美が一行さんと付き合うことをサポートする。
- 一行さんは本来の未来では事故に合ってしまうので、それを救いたい。
ひとことでいえば「恋愛+SF」です。
未来の自分が、自分が付き合う予定のひとを知っていて、予定通りに付き合うために未来の自分の指示に従って日々を進めていく。
そして、彼女が事故に合うことを防ぐために努力する。しかし、未来から来た自分の本当の目的とは…
そんなお話です。
スタッフ・キャスト
スタッフ
- 監督:伊藤智彦
- 脚本:野崎まど
- アニメーションプロデューサー:森口博史
- 音楽プロデューサー:成川沙世子
- キャラクターデザイン:堀口悠紀子
- アートディレクター:横川和政
- CG監督:横川和政
- 編集:西山茂
- 音響監督:岩浪美和
監督の伊藤智彦さんは「ソードアートオンライン」などで監督を務めている方です。
キャラデザは「らき☆すた」や「けいおん!」の堀口悠紀子さん。
豪華なスタッフ陣です。
キャスト
- 堅書直実:北村匠海
- カタガキナオミ:松坂桃李
- 一行瑠璃:浜辺美波
- 勘解由小路三鈴:福原遥
- 徐依依:寿美菜子
- カラス:釘宮理恵
- 千古恒久:子安武人
メインキャストに声優ではなく俳優を使うのも最近のアニメ映画の主流ですね。
浜辺美波さんは、ドラマ「賭ケグルイ」では少し滑舌の悪さが気になったので声優大丈夫かと不安でしたが、『HELLO WORLD』では全く気になりませんでした。歯並びを治したらしいのでそのおかげですかね??
映画のクオリティ
キャラクター、映像、音楽とそれぞれの要素は一流で素晴らしいです。
ただ、アニメ映画界隈でいま間違いなく最も勢いのある新海誠の「君の名は」「天気の子」と比べると一歩だけ及ばないかな、というのが個人的な感想。
もちろん世界観が違うので、作品としてどちらが上かとかどちらが好きかというのはまた別の話ですが。
ストーリーについての感想
短い上映時間に詰め込むこと、そして短時間の動画に慣れている若い世代を意識してのことか、とにかくストーリーの展開が早い。
もちろんこれによってある種の爽快感を感じるのだが、もう少し余韻が欲しいとも感じる。
そもそもの設定が難しいことも相まって、視聴者がストーリーについてこれない。
ラストの展開についても、鑑賞後にいろいろと情報を集めてようやく意味がわかったが、観た瞬間はなんだったのかよくわからなかったw
ナオミが別の世界で目が覚めて、そこには大人の瑠璃がいて、ナオミが瑠璃を助けていると思っていたが実は助けられていたのはナオミの方だったのか、というのはなんとなくわかるのだが、、
最初の直美のいた世界(2027年)が記憶世界で、そこに干渉していたナオミの世界(2037年)も実は記憶世界だったということが途中で分かっているので、
ラストに出てくる世界も記憶世界かもしれないし、それ言い出したらキリないじゃん!と感じた。
無限ループかよって。プログラム風にいえば、無限ループというより無限再帰呼び出しの方が近いかなこの場合は。
なんだろうなぁ、この違和感。
もしキリがないことが言いたいことなら、ナオミと瑠璃の立場を逆転させる意味がないし(逆転させることによって無限ループ感が薄れる)、そうでないなら、最後のシーンは不要で、2027年の直美と瑠璃の世界だけを描いて終わりの方がわかりやすい。
スピンオフ作品とかを読むと、最後の月面世界は2047年の現実世界であることが確定事項とわかるらしいのだが、映画の中ではそんなことは絶対にわからないww
それはそれで解釈はお前らに任せるみたいなノリもわからなくはないが、結局スピンオフで答えを出してしまうなら、映画の中でもう少し説明してくれればよかったのに、という気分になる。
ちなみにそのスピンオフ作品というのがこちら。
あのカワイコちゃん「勘解由小路三鈴」視点で描かれたストーリーのようだ。
僕自身まだ読めていないのだが、スピンオフといいつつ、これを読めば『HELLO WORLD』映画本編で曖昧だった部分がすべてわかるようになっているらしい。
勘解由小路三鈴といえば、映画の中でなぜか彼女がちゃんと圧倒的にカワイイ人だというのがわかるようになっているよね。
三鈴の周りにはラメみたいな謎の物質が飛び散らかしていたけど、あれのおかげなのかなんなのか。
映画だけで考察することが難しい
映画だけを観た場合と、スピンオフ小説まで読んだ場合とで情報量が違いすぎて、純粋に映画の情報のみでの考察という行為に意味が持たせられないところが少し残念なところである。
タネ明かしをするにしても、もう少し時間的にズレを作った方が、映画を観た人たちが「あれはなんだったのか」と考察し、語り合う余地があって面白かったんじゃないだろうか。
たとえば最後のシーンが現実世界と確定しないのであれば、 無限ループ怖い ⇒ 結局自分のいる世界が現実かどうかなんてわからん ⇒「俺たちが生きている世界はもしかしたら虚構かもしれないけど、今じぶんに見えている現実から逃げずに全力でぶつかっていこうぜ」みたいなメッセージともとれるじゃん?
まぁ出てしまったものはしょうがないので、小説の方も読んだうえで改めての考察もしてみたいと思います。
以上。