トイストーリー4を公開初日に鑑賞してきた。
感想をひとことでいえば、モヤっとボールを投げたくなるストーリー。
トイストーリー4は、何故みたあとモヤモヤするのか。
私なりにモヤっとポイントを考察して整理してみました。
※ネタバレありなのでご注意ください。
キャラクターの立場がハッキリしない
トイストーリー4がなんだかモヤっとするのは、ざっくり言うと「登場人物たちの立場がハッキリしないこと」に起因しているところが多い。
それぞれキャラクターごとにそのポイントをみていこう。
ギャビー・ギャビー
まず、ギャビー・ギャビーは悪役なのか問題。
ギャビー・ギャビーは悪役として邪悪な雰囲気で登場して、ウッディのボイスボックスを奪おうとする。
そして、なんやかんやでウッディのボイスボックスを奪うが、ボイスボックスを奪うことによって果たしたかった当初の目的は果たせず絶望する。
それでもウッディは持ち前の正義感で、ギャビー・ギャビーを絶望から救いだし、新しい持ち主をあてがう。
この流れの中で、ギャビー・ギャビーは悪役だったのがいつの間にかかわいそうな奴みたいな感じになっているけど、ウッディに対してやらかしたことがサイレントで許されているのがモヤる。
一方でトイストーリー3では、ロッツォは最後まで最強の悪であり続けた。
ウッディがやさしさを見せればすぐにつけこむ。視聴者はひたすらロッツォを嫌いになればよかった。
改心して仲間になるなら、とりあえず奪ったボイスボックス返せや。悪役なら悪役でもっと徹底しろや。
どっちかにしてくれないとどう感情移入していいのか困る。
ウッディ
これはストーリーの本筋そのものだが、ラストのウッディの選択。
今までさんざん、持ち主のために動くのがおもちゃの役割だと言い続けて行動し続けてきたウッディの突然の方針変更。
ボニーに選ばれない、ボーたちから迷子のおもちゃも楽しいことを学ぶ、とかいろいろそうなるまでの要因はあるけれど、これほど大きな方針変更をするには急すぎてついていけない。
このストーリーの中でウッディが頑張ってきたフォーキーの救出は、そもそもボニーを想ってのことだったのに、急に捨てていいのかよ。という気持ちになる。
アンディはボニーが大切にしてくれるといってくれたから、ボニーにウッディを譲ったという経緯もある。
つまり、ボニーのもとを離れるということはアンディとの約束を破ることにもなる。本当にそれでいいのか、ウッディ?
ボーへの愛が深すぎて、子供のことなんかどうでもよくなった、くらいの方が納得できたかもしれない。だが愛がそこまで大きく描かれているわけでもない。
ウッディの旧友たち
トイストーリー4では、彼らはあまり活躍しない。
それにしても、最後のウッディとの別れにおいて、みんな何も言わずに察しはじめるのはどうなん?
バズがウッディの気持ちを察して「ボニーは大丈夫だ」って言うシーン、視聴者もついていけてない感あったくらいなのに(映画館の雰囲気。え、そっちなの?みたいな空気だった)、仲間たちがあれだけで察せるか?と思った。
ボニー
フォーキーがいないフォーキーがいないと終始わめき散らかしていたにもかかわらず、フォーキー(とかばん)がない状態で「忘れ物はない!!!」と言い始める。
そもそもはボニーがクソガキゆえに、ウッディが色々と苦労しているのに、結局ボニーが成長しないっていうのもモヤりポイント。
ひたすらボニーのことを想ってフォーキーを必死で助けたウッディが、ボニーの成長によって最後に報われるのかなぁっていうのが自然に予想する結末だったから、成長しないボニーに対する嫌悪感が募る。
特に描かれていないけど、ボニーはウッディがいなくなったことに対しても何も感じなかったっていうことなんだよね?
結局、ボニーという存在が、おもちゃたちが忠誠すべき素晴らしい持ち主でもなければ、ひどい扱いばかりする悪い持ち主でもなく、中途半端な立ち位置だから、ボニーに対する感情の持ち方もわからなくなる。
大人の事情がみえる
トイストーリー3で完結したと思っていたところでのトイストーリー4の登場。
3から無理やり引き延ばした感と、今度はさらに続編を意識して作っている感が否めない。
そういった大人の事情が垣間見えるのもモヤっとポイント。
まとめ
今後トイストーリー5以降で描かれる真のラストでは、このモヤっと感を吹き飛ばす爽快ストーリーが待っているのだろうか。
今作は3が完璧だっただけに、賛否がすごいのだろうなぁ。
映像とかアクションとか進化してるし、そういう意味ではもちろん純粋に楽しめる。
みなさんの感想はどうでしょうか。
以上。