本日ご紹介する本は、霜田明寛氏の『ジャニーズは努力が9割』
ジャニーズ好きな人じゃなくても、というよりむしろジャニーズにあまり詳しくない人こそ読むと面白い本です。
本書を読むと、ジャニーズタレントへのイメージが変わります。
『ジャニーズは努力が9割』 書評 感想
『ジャニーズは努力が9割』の概要
本当の〝才能〟とは、努力できること。
そう、ジャニーズは教えてくれた――。
SMAP、TOKIO、V6、KinKi Kids、嵐、滝沢、亀梨……
「努力の16人」と、彼らを導いたジャニー喜多川の「育てる力」に迫る!amazon.co.jp
『ジャニーズは努力が9割』は、かつてジャニーズJr.オーディションを受け、今でもなお生粋のジャニヲタである編集者「霜田明寛」氏の渾身の一作である。
霜田氏は、メディア編集者としても長い間ジャニーズを追い続け、数々のインタビューや取材を通して、ジャニーズたちが天性の見た目と才能だけの人間ではなく、努力の人間なのだということを知る。
世の中の多くの人は、ジャニーズのことを、運良くイケてるルックスで生まれ、運良くジャニーズに選ばれ、運良く人気を得ている、特別な星のもとに生まれた選ばれし人たちだと思っているだろう。
しかし、ジャニーズたちは、普通の星のもとに生まれた普通の人たちであり、彼らの活躍の裏には不断の努力と思考の重なりがあるのだ。
この事実は霜田氏にとっては、希望であると同時に絶望でもあった。
生まれた星が違うと思えば、ジャニーズになれなかった自分に諦めもつくものだ。
しかし、自分と彼らとの差は生まれた星ではなく、紛れもない努力の差なのだと突きつけられたのである。
そんな誰よりもジャニーズを愛し、誰よりもジャニーズに詳しい霜田氏が、光り輝くジャニーズたちの中でも選りすぐりの16人の人物たちの”努力の軌跡”と”人生哲学”を余すことなく記したのが、本書『ジャニーズは努力が9割』である。
『ジャニーズは努力が9割』で紹介される人物
『ジャニーズは努力が9割』の本編では、以下の16人の人物が紹介される。
- 中居正広
- 木村拓哉
- 長瀬智也
- 国分太一
- 岡田准一
- 井ノ原快彦
- 堂本剛
- 堂本光一
- 櫻井翔
- 大野智
- 滝沢秀明
- 風間俊介
- 村上信五
- 亀梨和也
- 伊野尾慧
- 中島健人
この16人の生きざまや、努力の方法は、同じジャニーズとはいえそれぞれ大きく異なっており、まさに十人十色である。(多様な16人が選ばれている)
彼らが成功するまでの道のりには、一体どのような思考があり、どのような努力をしてきたのか。
その道筋はそれぞれであるが、16人の中には少なからず読者が似た境遇にあったり、その哲学に共感する人物が出てくる。
彼らのエピソードを知ることによって、誰しもが「ジャニーズのあいつも、そうやって努力して克服してきたのか」と思うことができ、何かしらの人生のヒントを得ることができるだろう。
ジャニー喜多川の育てる力
第二部では、ジャニーズたちを育てたジャニー喜多川論が語られる。
特に印象的な点は、ジャニーズ事務所の選抜基準が ”やる気” と ”人間的にすばらしい” の2点だけだという点である。
このジャニー喜多川の選抜基準は、ドラッガーの組織論とも一致するという。
SMAPの前身であるスケートボーイズでデビューした人は、ジャニーさんに「スケボーやらない?」と聞かれて「やります!」と答えた人。
V6でデビューした人は、ジャニーさんに「バレーボールやらない?」と聞かれて「やります!」と答えた人だという。
ジャニーズJr.に入ってからも、やる気をとにかく重視していたそうだ。
この他にもジャニー喜多川流のマネジメント法がいくつも紹介されている。
読後の感想
『ジャニーズは努力が9割』を読むと、いままでなんとなく見ていたジャニーズタレントたちに対する捉え方が変わる。
また、単に「この人たちすごいね」で終わるのではなく、努力の内容を一般化して、読者が活かすことまで意識して書かれているところがまた良い。
そして何より、筆者のジャニーズへの愛が心地よい。
一読の価値ありです。