昨日、Mリーグドラフトについての記事を書いた。
が、そのあとtwitter等で様々な意見をみて、否定的な意見も多くあり、いろいろと考えさせられるところがあったので、
Mリーグドラフトに対して寄せられた意見に対して考察し、そこからMリーグの今後についても考えてみた。
自分は毎週フリー雀荘でアドゲーしてるだけのただの麻雀好きの一般人ですが、
いち視聴者としての意見をここで発信しておきます。
それなりに真面目な意見のつもりなので、関係者にも思いが届いたら嬉しい。
Mリーグドラフト2019に関する意見
酒井一興プロ
ドラフトに対する意見の中でも特に反響があったのが、酒井一興プロのブログ。
Mリーグ~現状 少し批判します~※こちらの記事は削除されまてしまいました
麻雀プロ自身がこのような批判的な意見を述べるのは、めちゃめちゃ勇気のいることだと思うので、まずはその勇気をたたえたい。
酒井プロの意見はこうだ。
Mリーグ以外のプロ業界で優勝目的以外でチーム編成するスポーツや競技って何かあります?僕は知らないです。現状Mリーグは本気で優勝を目指していないチームが複数あります。これは絶対です。違うのであれば、チーム首脳陣が麻雀に疎すぎます。
–中略–
ある程度の即効性ある策は、全チームに監督制度の導入すればいいと考えます。成績で年俸変動するようなシステム。ドラフト選考基準が強い人ベースになる仕組み、リーグになっていく事を願っています。Mリーグを目指す僕としてはMリーグは プロの最高峰の舞台であって欲しい。
これに関して語るうえで、まずMリーグが何を目指しているのかを見つめ直す必要がある。
そもそもMリーグは強さのみを求めた大会なのか?
Mリーグの活動目的のこの部分をみると
Mリーグは、プロ団体から厳正なドラフトを経て指名されたトッププロによる真剣勝負を通じ、高度な頭脳スポーツとしての麻雀の認知を確立し、日本における麻雀の競技力向上に寄与します。
出展:Mリーグの使命
たしかにそれらしいことは書いてある。
とはいえ、”厳正なドラフトを経て指名されたトッププロ” というのは非常にあいまいな表現で、強さだけを基準に選ぶかはこれだけではハッキリとはしない。
確かに、スポーツや将棋など、公式競技として成立しているものは実力が絶対的に重要であり、麻雀ほどふわっとしているものはないように思える。
このことは、まずMリーグうんぬん以前に、そもそも麻雀プロの敷居が低すぎることが背景としてある。
普通は、”トッププロ”などというあいまいな表現を使わなくても、プロである時点で圧倒的な実力が保証されているものだ。
麻雀のゲーム性が、短期で実力が結果に繋がりにくい故に見えづらいという側面もあるので、単純にほかの競技とは比較はしづらいが、
仮にある程度長期で戦ったとしても、麻雀プロ(トッププロではない)に勝てるアマチュアの人はゴロゴロいると思う。
これが将棋であれば、将棋プロの最下位くらいの人相手に、趣味でやってるかなり強い人くらいでは100万局指しても絶対に1度も勝てない。
アマチュアのトップ中のトップの人(趣味の域とか超えてるレベルの人)でようやくワンチャンあるとかそういうレベルのはず。
こういった麻雀プロの現状があった中で、Mリーグが世界を変えるという期待があった。
名前からしてもJリーグを意識しているし、かつてのJリーグのように時代を変えるのではないか、そしてMリーガーこそが真の麻雀プロという新しい時代をつくるんじゃないかと。
しかし現実はそうじゃかったのか、そういう落胆はわかる。
ただ企業が真の麻雀の実力だけを重視して選手を選ばないことも、”短期で実力が結果に繋がりにくい” この点にも起因しているところがある。
というか、むしろこれが結論ではないかと思う。
どうせ強い人を選んでも負けるときは負けるし、それなりの人を選んでも勝つときは勝ってしまう。それが麻雀。
だからキャラクターや商業性の優先度が相対的に高くなる。
もちろん強さもみているとは思う。だがあくまで相対的な話。
優勝狙ってないというのは言い過ぎだけど、多少強さ以外を優先しても勝てる可能性が現実的にあるからね。
これが将棋だったら、強さ以外で選んだら絶対に2億%勝てないから、強さ以外で選びようがないんだよね。
野球やサッカーチームだって、実力(≒出しうる結果)が同程度ならスター性ある選手とるよね。
この事情があるから、酒井プロのいう「ドラフト選考基準が強い人ベースになる仕組み」を作るのは意外と難しいんじゃないかな。
じゃあその基準の強さってどうやって決めるの?っていう話。
既存の大会の成績だけで機械的に決めるはまず無い。
監督制度だって、監督が選手以上に精通してないとトップレベルの力の差を判断できないし、まずその監督をどう決めるのってなる。
個人成績による報酬変更も成績に大きくブレがあるし、結局それも実力主義にならない可能性高いよね。
スポーツチームも選手や監督選ぶの結局オーナーがやってたりするから、素人にもわかるような結果残さないとダメになることもあるし、やっぱり最終的には結果と実力の相関が弱いという麻雀のゲーム性が原因に帰結してしまう。
チームの成績が意味のあるものになっているかという点でいえば、1,2,3位まで賞金をなだらかに出している点で目無し問題にも一応対策されているし、ファイナル進むかどうかのラインはバブルファクターがあるからそれはそれで面白い部分もある。
そういえば、初年度のドラフトのときは自分も視聴者ながら似たような想いがあって、萩原聖人や高宮まりが選ばれたことに落胆していた覚えがある。
四神降臨や天鳳名人戦で、ガチの現代トッププロの麻雀を観て、麻雀プロや放送対局に興味を持つようになった自分としては、どこか同じようなもの、さらなる高みを求めていた部分があった。
そこからU-NEXT Piratesをひいきめに応援することになるのだが、
結果としてはこのことによって、自分にとって応援するチームと、ヒールになるチームがハッキリして逆に楽しめたと思ってる。
パイレーツがファイナル行けなかったとき、なぜか異常に悔しい気持ちになったし。
天鳳名人戦だとみんなすごいから逆に誰が優勝しても別にいいやって思っちゃうところもあるしね。
メカゼットンさん
全体としては、批判的な内容だが、細かい部分で言うことがいちいち面白い。
ざっと出てきた意見についてコメントしていく。
〉 水口美香プロが選ばれなかったガチを見せるくらいなら、既存選手を戦力外通告して追いかけるくらいやった方がいいんじゃないの?
これもなぁー。確かにそうなんだけど、成績出なかったからといって弱いとは言い切れないから切るのめっちゃ難しいよな。
でもいずれはやらないと仲良しクラブから脱却できないし、スポーツチームだって運営と選手が仲良しでも苦渋で放出とかしてるんだよなぁ。
〉 育成枠でとるなら5試合しか出れないちゃんとした育成枠としてとるべきだろ
それはそうだなぁ。人数増えてきたらありだけど、トッププロの凌ぎ合いっつってのに4人しかない枠に育成枠使うのはおかしい。
正直、3年後を見越してとか言えるような段階ではまだないよね。
〉 結局麻雀オタクが金を落とさなかったからこうなった。なんやかんや言って選手はよくやってくれて、金を落とす場も用意してくれたのに落とさなかった。そりゃあライト層ねらうわってなるよね。
まぁなぁ。スポーツや音楽と違って、ライブ観戦に価値があるものじゃないからマネタイズは相当キーになるし難易度高いよね。もともとプロはお金もらえない世界だし。
将棋とかはどうやってんだろ、TVとか新聞まわりしか思いつかないけどやっぱメディアからの金がでかいのかなぁ。
でもこれは麻雀オタクが金を落としたくなる仕組みを作れなかった運営側の責任だとも思うけどな。
確かに難しいけどさ、グッズとかファンミーティングもなにかが違うんだよなぁ。
にしても、スポーツの感じを目指してるなら試合毎回東京でやらない方がよくないか?
地方でやって、地方のファンとイベントやった方が価値あるよな。東京の人はゲストで会おうと思えばいつでも会えるし。
うん、各チームのホーム都市も作るべき。
おわりに
ただ単にスポンサーがついただけで、既存のTV対局と同じようには、どうかならないでほしい。
すべての麻雀プロとすべての麻雀オタクに夢を見させてくれ、藤田社長。
今年が勝負だ。