NewsPicksの経済番組 THE UPDATEにて、 「オンラインサロンになぜ人は集まるのか?」が放送された。 VIDEO
まさにイマを象徴する題材であるオンラインサロン。
議論は時間いっぱいいっぱいに延長されるほど白熱した。
しかし、今回の議論から得るべきものはたかだか3つだったので、そのエッセンスについて解説していく。
番組構成
ゲストは、
オンラインサロンオーナーとして
キングコング 西野亮廣氏、オリエンタルラジオ 中田敦彦氏、幻冬舎 箕輪厚介氏。
別視点で、ライターの速水健朗氏。
ゲストにはオンラインサロンを語るうえで絶対にはずせない最強プレイヤーたちがそろっており、申し分ない。
番組は、古坂大魔王がサロンオーナーたちにオンラインサロンとは何なのか、何がいいのか、といった点を質問していく形を基本として進んでいく。
しかし、ぶっちゃけこれがなかなかうざい。
THE UPDATEを観ているような層は元々知っているようなことを何回も何回も聞く。
整理してるつもり感だしてるけど、しつこい。
しかも毎回毎回、「オンラインサロンがいいのはわかっているんだけど、はっきりさせたいからあえて聞くね」みたいな枕詞をごちゃごちゃつけてきて、正直「いいから」ってなる。
これって結局、古坂自身のポジション取りでしかなくて、もし「わからない視聴者のために代表して聞く」立場になりきるのであれば、何もわからない情弱を演じるべきだ。
ああいうやり方すると、「番組のためにあえて聞いてるんだよ、でも俺はわかってんだからな」感がうざい。
実際なんか微妙にズレてる感じがちょいちょいあったし、それでいてわかってる側の人間としてしゃべろうとしてる感がすげぇ嫌だった。
新宿御苑理論
番組はだらだらと続いたが、結局エッセンスはこれだけだ。
新宿御苑理論
中田がオンラインサロンの説明の一環で繰り出した言葉だ。
新宿御苑理論の意味はこう。
コミュニティや空間にちょっとでも入場料をかけると、それだけでその中は途端に平和になる。
実際、俺も今年の花見で新宿御苑に行ったからよくわかる。
無料の代々木公園とは客の質が圧倒的に違う。
たかだか500円程度の課金というハードルを設けることで、本当の底辺層や、まともに楽しむつもりのない冷やかしは足を踏み入れなくなる。
酒類持ち込み禁止というのもあいまってはいるが、あまりの平和さに驚いた。
この新宿御苑理論が、何故オンラインサロンを無料でやらないのか、という問いに対して非常に秀逸であった。
Twitterで議論をしても、無意味な誹謗中傷が飛び交いすぎてまともな議論にならない。
それに対して、理念に共感していて積極的に楽しもうと課金までしているメンバーとの議論は驚くほどスムーズになる。
考えてみればあたりまえのことだ。
SNS疲れした現代の人々は、オンライン上にも新宿御苑を求めているのである。
エンタメのバーベキュー化
旧来のエンタメはレストランであり、新時代のエンタメはバーベキューである。
お金を払って、プロが作った素晴らしいクオリティのものを完全受動型で受け取るエンタメはもう流行らない。
現代では、お客さんはむしろ作り手側、発信者になれることを望んでおり、自ら作り手となり、作る過程も含めて作り手として楽しんでしまうエンタメ、それがバーベキュー型だ。
要因としては、SNSの普及により、情報発信自体はどんな人でも気軽に行えるようになったという状況があり、
人々は「これ見てきたよー」より「これ俺が作ったんだぜー」って言いたいに決まっている、ということだ。
それに、元来、作ることは楽しい。
文化祭やキャンプなんかは昔から最高のエンタメだ。
完成品のクオリティは圧倒的に低いのに、思い出としてはプロの作品をただ眺めるよりも段違いの超一級レベルだ。
胡散臭いと思われているうちが華説
オンラインサロンが世間から胡散臭いと思われなくなったとき、
そのときはもうオンラインサロンは旬を過ぎているはずだ。
世間から胡散臭いと思われているうちからやりきれるかが重要だ。
世の中の多くのインフルエンサーたちは、ことごとくオンラインサロン運営に失敗したらしい。
Twitterでフォローを集めること、Youtubeでチャンネル登録者を集めること
これらとオンラインサロンで会員を集めることは全く質が異なる。
今後、彼ら以外にオンラインサロンを成功させる猛者は現れるのだろうか。
まとめ
オープンソースの時代がきて、なんでもかんでも無料開放が最強だと思われてきた風味がある。
だがそんななかで、コミュニティに関しては実は課金制の囲いこみ、オンラインサロンが最強だったということか。
まだまだ話は尽きないようだ。
NewsPicksのTHE UPDATEはなかなか興味を惹かれる題材をよく扱っているので今後も期待している。
以上。