あなたは、まさかリャンメン待ちはカンチャン待ちの2倍あがれるなどと思っていないだろうか。
「2倍もあがれないのは知っているよ」というあなたも、まさか2倍あがれない理由は「たまに引っ掛けになって出あがりしやすくなるから」だと思っていないだろうか。
実はそれは全く違う。
引っ掛けになって出あがりしやすくなるというのもあるにはあるのだが、それ以前にそもそもツモ率が2倍ではないのだ。
本記事ではリャンメンのツモ率がカンチャンの2倍ではない理由を世界一わかりやすく解説してみることにする。
知識としては知っているが、その理由についてはイマイチ腑に落ちていないという方もぜひ読んでみてくれればと思う。
リャンメンがカンチャンの2倍あがれない理由を世界一わかりやすく説明する
検証
さっそく検証していこう。
リャンメン待ちのあがり牌は2種8枚
カンチャン待ちのあがり牌は1種4枚
そして麻雀牌は136枚ある。
当然、リャンメン待ちのあがり牌の数はカンチャン待ちの2倍だ。
しかしなぜ2倍あがれない(ツモれない)のだろうか。
数学的事象を正しく理解するために非常に有効な方法がある。
具体化することと、値を極端にすることだ。
これらを行うことで、事象が直感的に理解しやすくなり、簡単に把握できることが多い。
具体例
まず具体例としてリャンメン待ちは④⑦ピン待ち、
カンチャン待ちはカン④ピン待ちとしておこう。
次に場況などは完全に無し。
1巡目にテンパイとしよう。
ここまで整理しても、感覚で捉えようとすると人間はすぐに誤りがちだ。
毎巡ツモってくる牌のうち、リャンメン待ちのアガリ牌はカンチャン待ちの2倍あるのだから、結局2倍の確率であがれるのではないかと考えてしまうのが典型的に誤った考えである。
しかしこの考え方は、毎巡のツモ抽選を独立事象として捉えた場合の確率なのである。
本当に比較するべきなのは「次巡あがれる確率」ではなく、「終局するまでにあがれる確率」だ。
1巡目にあがる確率が2倍、2巡目も絵倍、と毎巡の瞬間を切り取って独立してみた場合に、リャンメンのツモ率が常に2倍だったとしても、「テンパイ時点から終局するまでにツモる確率」は2倍にはならない。
なぜそうなるのか。
④⑦ピン待ちのうち⑦ピンであがる世界線の中には、⑦ピンであがった巡目以降に結局④ピンもツモっていた世界線がある。
この部分の重複があるため、終局までの確率で比較すると2倍にはならないのだ。
麻雀の局はアガリが発生した時点で終了するため、⑦ピンでアガリが発生した以降の山が実際にめくられることはないのだが、確率を考えるには、アガリ発生以降の巡も全部めくった場合の数も含めて考えなければならないところがミソだ。
これだけではまだ難しいと思うので、さらに状況を極端に変換してわかりやすくしてみよう。
山に残っている麻雀牌がすべて④⑦ピンで半分ずつ入っているとしよう。
※半分ずつ入っていると書いたが、50%で④ピンか⑦ピンを引く抽選箱だと思ってもらうとよい。厳密には引いた牌を毎回箱に戻す。
山がすべて④⑦だとすると、まず1巡目にあがれる確率は、
④⑦待ちのアガリ確率はもちろん100%。
④待ちのアガリ確率は50%。
次に2巡目までにあがれる確率は、
④⑦待ちのアガリ確率は100%。
④待ちのアガリ確率は1巡目にあがれなかった50%のパターンの中でさらに50%のくじを引くので75%。
3巡目までにあがれる確率は、
④⑦待ちのアガリ確率は100%。
④待ちのアガリ確率は同様に計算して87.5%。
4巡目までにあがれる確率は、
④⑦待ちのアガリ確率は100%。
④待ちのアガリ確率は同様に計算して93.75%。
…
…
このように巡目が進むにつれてカンチャン待ちのあがり確率がリャンメン待ちのあがり確率に漸近していくことがわかる。
どうだろう。こう考えると具体的な確率は置いておくにしても、アガリ率の差が2倍よりは相当に近づくことは理解しやすいと思う。
ちなみにダブリーリャンメンは約85%、カンチャンは約60%程度ツモれるらしい。(被ツモ・放銃を無視した場合)
この数字も直感と比べると意外に高いと感じた。
まとめ
上述した検証例は、他家の動きなどの要素を無視しているので、実際には
・早くあがれない⇛被ツモや放銃の可能性が上昇⇛カンチャンの上がり率低下
・引っ掛けなどによる出上がり率の上昇⇛カンチャンの上がり率上昇
など様々な要素がある。
しかし、少なくとも以下のことは今回の説明によって理解できたのではないだろうか。
・リャンメンのツモ率が単純にカンチャンの2倍にはならないこと。
・残り巡目が多いほどアガリ牌の枚数差よりもアガリ率の差は少なくなること。
以上。
なにかの参考になれば幸いです。